令和7年度からは賃金改善の確認方法はどう変わるのでしょうか？
こんにちは！
社会保険労務士法人こどものそら舎です。
今週の『Let's 処遇改善等加算トレーニング』をお届けします。
処遇改善等加算の概要や運用のルール、運用上のお困りごとを
一問一答形式でご案内いたします。
処遇改善等加算について改めて整理し、
理解を深める機会としてぜひご活用ください♪
〓〓〓〓〓〓〓〓〓★［ 問 題 ］★〓〓〓〓〓〓〓〓〓
令和7年度からの処遇改善等加算では、
職員への賃金改善の確認方法はどう変わるのでしょうか？
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■━■━■━■━■［ 解答 解説 ］■━■━■━■━■
令和7年度からの処遇改善等加算では、
介護分野の取扱いを踏まえた確認方法へ見直される予定です。
現行の保育分野での賃金改善の確認は、以下の方法で加算ごとに確認をしています。
・前年度から引き続き処遇改善等加算の適用がある場合（新規事由無し ※1）は、
「支払賃金の総額」が「起点賃金水準」を下回っていないこと
・新たに処遇改善等加算Ⅰ～Ⅲを取得した場合(新規事由有り ※1）は、
「支払賃金の総額」から「起点賃金水準 ※2」を差し引いた額（賃金改善額）が
加算額以上となっていること
※1.新規事由有りは、新たな加算適用や制度改正による加算率の引上げ等がある場合をいう。
新規事由無しは、新規事由有りに該当しない場合をいう。
※2.基準年度（主に前年度）の賃金水準に加算当年度の人件費改定相当分（主に人勧）を加えた額
介護分野においては、賃金改善の確認にあたり以下の2点をまとめて確認しており、
加算額の増減の影響や施設独自の改善額を除いた形で確認をしています。
・加算額以上の賃金改善となっていること
・加算以外の部分で賃金水準を下げていないこと
現行の保育分野での賃金改善の確認は、「新規事由の有無」によって加算ごとに行うため、書類作成が多い要因となっていました。
また、保育所等における利用児童が減少（収入が減少）等する中で、
加算を取得するには、起点賃金の水準を下げられず、法人の負担が発生する場合があることや、
基準年度に施設独自に加算額以上の賃金改善を行った場合も引き続き賃金水準を維持する必要があり、
施設独自の賃金改善に消極的になるという指摘がありました。
そこで、令和7年度からは、
区分2「賃金改善分」と区分3「質の向上分」をまとめた加算総額で賃金改善額を確認するとともに、
新規事由の有無による確認方法を見直して、
加算をまとめて確認している介護分野の取扱いを踏まえた確認方法に見直しする案が検討されています。
また、介護分野の取扱いは、加算額等の影響を除いた賃金水準で比較する方式であることから、
こどもの数の減少等による加算額の減や施設独自の改善額の影響も除くことが可能となる見込みです。
さらに、利用児童数の減少等により経営が悪化することにより、基準年度の賃金水準を維持することができず、結果として「処遇改善等加算」による賃金改善ができなくなることを避けるため、
介護分野等と同様の仕組み（特別事情届出書）を設け、特例措置として、労使の合意の下、起点となる賃金水準を「必要最小限な範囲」において引き下げることを認めることも検討されています。
上記の確認方法はまだ確定ではありませんが、以下の表をもとに今後の対応方針を確認しておきましょう。
●現行の保育分野と介護分野の確認方法と比較した場合の主な相違点と対応方針
出典：こども家庭庁 第8回 子ども・子育て支援等分科会／資料8「処遇改善等加算Ⅰ～Ⅲの一本化について」
★参考：
こども家庭庁 第8回 子ども・子育て支援等分科会／2024年12月19日開催
資料8「処遇改善等加算Ⅰ～Ⅲの一本化について」
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/443197f1-8796-458c-b5c8-27bb782a77d5/0615d05a/20241218_councils_shingikai_kodomo_kosodate_443197f1_09.pdf
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