こどものそらSDGs8通信

『こども基本法』と『こどもの権利条約』から「こどもの権利」を考える

こんにちは!
社会保険労務士法人こどものそら舎です。

今月の『こどものそらSDGs8通信』は次のラインアップでお送りします。

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【テーマ】
 『こども基本法』と『こどもの権利条約』から「こどもの権利」を考える

【コンテンツ】※会員限定
 ワークシート/「こどもの権利」を考える・1
 「こどもの権利・行動を4つの権利に当てはめてみよう」

【助成金】
 キャリアアップ助成金 正社員化コース ※2022年10月1日より要件変更

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今月の『こどものそらSDGs8通信』は、
「こどもの権利」について取り上げます。

2022年6月15日に『こども基本法』が成立しました。

『こども基本法』は、
『日本国憲法』と『子どもの権利条約』をもとに、

「社会を担うすべてのこどもが、健やかに成長することができ、
 権利を守られながら、幸福な生活を送ることができる社会を作ること」

を目指して定められたものです。

『こども基本法』では、
以下のように基本理念が定められています。

*********************

* ・こどもの基本的人権の保障、差別の禁止

* ・適切な養育や生活の保障、愛され保護されること、
*  成長や発達・自立などの権利や教育を受ける機会の保障

* ・意見表明の機会や社会的活動への参画機会の確保

* ・こどもの意見の尊重、こどもの最善の利益の優先

* ・こどもの養育および子育てについての第一義的責任と支援

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『こども基本法』が成立した背景には、
「こどもの権利が守られていない」という状況があります。

令和2年度の児童虐待相談件数は全国で20万件超(児童相談所対応件数)、
学校におけるいじめの認知件数は51万件超、
不登校のこどもや自殺したこどもも前年度と比べて増えています。

見えているだけでこれだけの状況です。

「こどもの権利」は『児童福祉法』の総則にも定められていますが、
『児童福祉法』は児童福祉の原理、児童福祉に関する事業や機関などの
児童福祉に関する基本法です。

「こどもの権利」を守るための基本となる法律はこれまで日本にはなく、
上述のような背景から法律として定められることが強く求められていました。


保育施設における「こどもの権利」については、
『保育所保育指針』で以下のように触れられています。

*********************

* 保育所は、子どもの人権に十分配慮するとともに、
* 子ども一人一人の人格を尊重して保育を行わなければならない。

*********************

こどもの人権に十分配慮しながら、
こども一人一人の人格を尊重して保育を行うためには、
まずは「こどもの権利」について理解することが必要です。

「こどもの権利」にはどんなものがあるのか、
保育施設でのこどもたちの行動はどんな権利に当てはまるのか、
改めて考えてみましょう。


「こどもの権利」を考えるうえで欠かせないのが
『子どもの権利条約』です。

『子どもの権利条約』は、全54条からなる国際条約で、
こどもが持つさまざまな権利(基本的人権)が定められています。

たとえば、

「差別をされない権利」(第2条)
「意見を表す権利」(第12条)
「表現の自由についての権利」(第13条)
「プライバシーや名誉が守られる権利」(第16条)
「暴力などから保護される権利」(第19条)
「家庭を奪われたこどもが保護を受ける権利」(第20条)
「障がいのあるこどもが教育や訓練、保健サービスを受ける権利」(第23条)
「教育を受ける権利」(第28条)
「休み、遊ぶ権利」(第31条)
「性的搾取から保護される権利」(第34条)
「被害にあったこどもが守られる権利」(第39条)

などがあり、大きく以下の4つに分類されます。

1.生きる権利
2.育つ権利
3.守られる権利
4.参加する権利


今月のコンテンツは、「こどもの権利を考える・1」として、
こどもが持つさまざまな権利や保育施設でのこどもたちの行動が
4つの権利のうちどの権利に当てはまるのかを考えるワークシートをご案内します。

職員会議や職員研修などの場で、職員全員で取り組んでみてください。

ふだんの何気ない行動も権利として守られていることが改めて確認できます。


「こどもの権利を考える・2」では
「保育のなかでこどもの権利をどう守るか」を考えていきます。

『こども基本法』が成立した今をよい機会として、
「こどもの権利を守る」とはどういうことか、
保育をするときにどんなことに気をつければよいのか、
職員全員で改めて考えていきましょう。

ワークシートに取り組んだ後は、
・「保育ルールブック」や「保育マニュアル」を作って職員に配ったり、
 施設内に掲示したりして、いつでも見れるようにし、日々の保育に活用する

・自己評価の項目として盛り込み、保育の振り返りに活用する

など、さまざまな場面で活用しましょう。

また、こどもの権利を守ることについて職員が何か気づいたときに、
公益通報者保護法を活用して相談しやすくするために、
施設内または外部の相談窓口を活用できるよう体制を整えておきましょう。


さらに、こどもの権利は、保護者に伝えていくことも大切です。

「こどもの権利を守るために施設が気をつけていること」などを
重要事項説明書やおたよりに載せたり、施設内に掲示したりすることは、
保護者がこどもの権利について知る機会や考える機会になります。

保護者もこどもの権利についての理解を深めていくことで、
家庭でもこどもの権利を守れるようになり、
こどもの最善の利益につながっていきます。


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          助成金のご案内
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【厚生労働省助成事業:
 キャリアアップ助成金 正社員化コース】
 https://www.mhlw.go.jp/content/11910500/000923177.pdf
 ※パンフレットP.14~30

〈制度の概要〉
非常勤職員(有期契約や無期契約等)を正規職員に転換する取組を
行った場合に助成します。

〈助成金額〉
・有期契約職員→正規職員…1人あたり57万円
・無期契約職員→正規職員…1人あたり28.5万円

※派遣職員を正規職員として直接雇用した場合や
 対象者が母子家庭の母や父子家庭の父の場合などには、
 助成金額が加算されます。


◆2022年10月1日以降の取組については、支給要件が変更となります◆

〈変更となる主な要件〉
●正規職員の定義
・「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」のある正規職員への転換が必要

●対象となる職員
・「正規職員と異なる雇用区分の就業規則等」が適用されている
 非常勤職員が正規職員に転換することが必要


★現在の就業規則や賃金規程が、変更後の要件に沿う定めになっているか
 転換前に確認することをおすすめいたします。

★詳しい要件や申請手続などについては、お問い合わせください。

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