不適切保育シンキング

事例:「5歳児クラスはお昼寝の時間はないんだよ。」と伝え、午睡をさせなかった。

こんにちは。
社会保険労務士法人こどものそら舎です。

今週の『Let's 不適切保育シンキング』をお届けします。

下にあげた[保育における一場面]は不適切保育に当てはまるかどうか、
当てはまる場合は「人権擁護のための5カテゴリー」のどれに当てはまるか、
不適切保育にしないためにどう働きかけたらよいか、などを
みんなで話し合ってみましょう。

正解はありません。
みんなで保育を振り返り、考える機会としてぜひご活用ください。

〓〓〓〓〓〓★[保育における一場面/午睡]★〓〓〓〓〓〓

A先生は、5歳児クラスの担任です。
5歳児クラスになると、翌年度の小学校での生活に向けて午睡を
させないようにしています。

ある日、Bさんが
「今日は眠いからお昼寝したい」
と言ってきました。

A先生は、
「5歳児クラスはお昼寝の時間はないんだよ。
 来年小学校に行ったときに困るでしょ。」
とBさんに伝え、Bさんに午睡をさせませんでした。

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★考えてみよう・1
A先生の行為は、不適切保育に当てはまるでしょうか?
当てはまる場合は、次の「人権擁護のための5カテゴリー」のうち、
どれに当てはまるでしょうか? (複数選択可)

1.子ども一人一人の人格を尊重しない関わり
2.物事を強要するような関わり・脅迫的な言葉がけ
3.罰を与える・乱暴な関わり
4.子ども一人一人の育ちや家庭環境への配慮に欠ける関わり
5.差別的な関わり


★考えてみよう・2
A先生の行為は、『こども基本法』の4つの権利のうち、
どの権利を侵害しているでしょうか?(複数選択可)

1.差別の禁止(差別のないこと)
2.生命、生存及び発達に対する権利(命を守られ成長できること)
3.こどもの意見の尊重(意見を表明し参加できること)
4.こどもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと)


★考えてみよう・3
A先生の行為は、『子どもの権利条約』の4つの権利のうち、
どの権利を侵害しているでしょうか?(複数選択可)

1.生きる権利(安心・安全な居場所や食べ物があり、必要な手当てを受けられること)
2.育つ権利(生活したり遊んだりして、その子らしさを尊重されながら成長できること)
3.守られる権利(あらゆる暴言・暴力・虐待・プライバシーの侵害などから守られること)
4.参加する権利(自由に意見を言ったり、自ら考えたり決定したりして活動できること)


★考えてみよう・4
A先生の行為は、次の3つのうち、どれに当てはまるでしょうか?

1.質の低い保育
2.不適切な保育
3.虐待(身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待)


★考えてみよう・5
もし自分がBさんだったら、どう思いますか?


★考えてみよう・6
もし自分がA先生だったら、Bさんにどんなふうに働きかけますか?


◆参考資料

■全国保育士会『保育所・認定こども園における人権擁護のセルフチェックリスト
 ~「子どもを尊重する保育」のために~』
 https://z-hoikushikai.com/download.php?new_arrival_document_id=123

■ユニセフ『子どもの権利条約カードブック』
 https://www.unicef.or.jp/kodomo/nani/siryo/pdf/cardbook.pdf?210831
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