園長先生からの質問 Q12

“保育に役立つ”園長のための保育園の人事労務講座
~よい労務管理はよい保育を生む土づくり~

雇用保険って「保険」っていうくらいだから、保険料がかかって手続きだけでめんどうなものだと感じてました。でも雇用保険二事業を上手に活用していくことで今の保育園を前向きに整備して、先駆けて未来の明るい保育園も創っていけるんですね。イメージはできたんですが、そもそも「二事業」って何を目的とする事業のことですか。

1、雇用開発のための事業と雇用管理のための事業
2、雇用福祉のための事業と能力開発のための事業
3、雇用開発のための事業と教育訓練のための事業
4、失業保険のための事業と職業安定のための事業
5、職業安定のための事業と能力開発のための事業

答え(1つ)

答えの詳細

「雇用保険二事業」は、雇用安定事業と能力開発事業で構成されています。
雇用保険法の条文の抜粋からイメージしやすくすると以下のようなものです。

第六十二条 雇用安定事業「労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講ずる事業主に対して、必要な助成及び援助を行うこと」
第六十三条 能力開発事業「当該事業主等の行う職業訓練を振興するために必要な助成及び援助を行うこと」

雇用保険料は、雇用保険の被保険者が失業した場合に受給する失業給付の財源となる部分と、雇用保険二事業の財源となる部分に分かれます。失業等給付の財源となる部分については、被保険者と事業者が折半で負担します。一方、雇用保険二事業の財源となる部分については事業主が全額を負担します。助成金制度はこの雇用保険二事業の目的を達成するための制度で、法律により定められた国の行う事業の一部です。その事業を実際に行うのは事業主である保育園となり、そのための援助として助成金が用意されているわけです。

様々な助成金制度は必要最低限の施策だったり、次代を先取りしたような施策だったりと、適切に運用するための必要な手間もかかりますが、労務管理のよい点検や改善の機会になったりと役に立つ準備といえます。今や未来の保育園に有効な制度も多いので、趣旨や目的が合致するようであれば、前向きに検討してみましょう。

■雇用保険法 第三条
雇用保険は、第一条の目的を達成するため、失業等給付を行うほか、雇用安定事業及び能力開発事業を行うことができる。

 


保育士がいきいき働く、保育園が元気に動く仕組みづくりを支援している社会保険労務士・中小企業診断士の関山です。
専門はこれまでの保育業界での経験を活かした保育園の労務支援・運営支援と想い入れたっぷりの分野です。
珍しい経験から鎌倉・逗子・葉山地域の保育園さまを始め、全国の保育園さまからお問合せいただくことも増えてきました。

そこでここでは園長先生からの労務面やキャリアパスなどに関するご質問やご希望に応えて、
保育園や保育士に役立つ「保育園育て」「保育士育て」の各種ノウハウをお送りしていきます。
ぜひ日頃の保育園の運営や保育士の労務管理、人材育成、キャリアパスなどの参考にされてください。

 

☆園ごとの具体的な雇用管理やマネジメント等の働きやすい職場環境づくりのための対策などはご遠慮なくご相談ください☆
(社会保険労務士事務所こどものそら舎:http://kodomonosora.jp/