「賃金改善実績報告書」を内部で検査しましょう
保育士の専門性や期待値の高まりとともに、
その処遇の改善が進められ、実態が問われています。
今回は、お金の面からそれを見てみたいと思います。
確実に職員の賃金改善に充てるための加算がされています。
それが処遇改善等加算Ⅰ(賃金改善要件分)及び処遇改善等加算Ⅱです。
加算Ⅰは主に、勤続年数などに対して、支給されます。
加算Ⅱは主に、役職などに対して、支給されます。
会計実地検査を行った166市区町村の6,089施設における検査では、
以下のように報告がされています。
① 処遇改善等加算Ⅰ(賃金改善要件分)
29年度は、検査対象施設の12.8%で残額(計9億2444万円)
② 処遇改善等加算Ⅱ
29年度は、検査対象施設の35.8%で残額(計4億2881万円)
その残額が、どこにいったのだろうか、というのが、まず問題となっています。
本来、職員に支給される予算ですが、残額の使途が不明なままなのです。
確かに実績報告書を見ると、誰に、いつ、いくら払ったのかなど、
明確に把握できる欄を設けている自治体は、目下のところありません。
そのため、指摘されるまでわからずじまい、そもそも指摘されてわからない、
さらにそもそも誰からも指摘してもらえない、という施設も増えているのです。
ですので、外部監査はもとより、「内部監査」の体制を確立しましょう。
監査や検査の対象となって初めてわかるのではなく、
施設の内部から正確な情報を取得し、確認できるように、施設整備を進めていきましょう。
職員に、法定通り1円単位で正確に改善がされるように、
内部でできることを、気づいたときから、今から進めていきましょう。