保育園における保育士の健康管理_腰痛編
保育士の健康管理の相談では、腰痛相談も多いです。
中には保育後、夜にやっている整体に通う先生も、、、。
お医者さんではありませんが腰痛といってもいろんな種類があります。
保育士に多いのはぎっくり腰、椎間板ヘルニア、筋筋膜性腰痛などなど。
保育園などの子ども施設では、保育士と園児との身長差が大きく、
保育士が中腰姿勢や前かがみの姿勢をとりがちになります。
腰に負担のかからない正しい保育姿勢・保育動作の基本は、
園児に近い位置で正面でしゃがんだり近づいて、前かがみや横ひねりなどを避けることです。
厚生労働省でも増え続ける業務上の腰痛対策として、
平成6年に「職場における腰痛予防対策指針」を定め、
平成25年に改定されるなど、さまざまに取り組みを進めています。
「職場での腰痛を予防しましょう!「腰痛予防対策指針」による予防のポイント」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/131114-01.pdf
それでも、なかなか職業病だったり個人の問題だったりという認識があって、
園全体で腰痛対策に取り組んでいる法人は少ないのではないでしょうか。
休業4日以上の職業性疾病の6割を占める労働災害が、なんと腰痛です。
園の安全配慮義務や職員の健康保持増進の面でも取り組みを検討してみましょう。
(保育園での一例)
・職員室に腰痛体操のポスターを貼る
・腰痛健康診断を定期健康診断に定める
・時間を定めてチームで腰痛体操会をする
また実際の保育の中においては、
例えば以下のようなことに工夫すると腰痛の予防や軽減に役立つと思います。
[抱っこ]
・腰をおろして持ち上げる
・持ち上げたときには体を後ろにそらさない
[おむつ交換]
・前かがみにならず交換台などなるべく高い位置で行う
・床で行う際には両足を広げてしっかり座り前かがみを緩やかにする
・座ってひざや股関節が痛む場合はおしりの下にクッションなどをしく
[トイレ]
・深くしゃがんで園児を自分の近くでかかえて上げ下ろしをする
・しゃがむことができるようにトイレはいつも清潔にする
[授乳]
・ひじ掛けや背もたれのあるイスやソファーで座ってする
[ごはん]
・前かがみ中腰や腰をひねらなくて済む位置で園児と座る
[沐浴]
・ぬれてもよい服装で行い、前かがみや腕をのばして園児をかかえない
[あかちゃん体操]
・つま先をたてた正座や足を広げた姿勢で行う
[散歩や外遊び]
・園児を抱える、おぶう、肩車する頻度を少なくする
・園児が急に追突したりぶら下がらないよう声かけし合う
[ベビーカーによる散歩]
・でこぼこのない平坦な道を選ぶ
・できれば園児が自分で乗リ込むことができるものにする
[事務作業]
・できるだけ園児室ではなく成人用の机やイスで行う
・イスをきちんと引いて正しい姿勢で行う
☆園ごとの具体的な雇用管理やマネジメント等の働きやすい職場環境づくりのための対策などはご遠慮なくご相談ください☆
(社会保険労務士事務所こどものそら舎:http://kodomonosora.jp/)